川端康成の心打たれる名言30個を簡単に紹介!

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「雪国」で日本人初のノーベル文学賞を取った川端康成。「日本文学の最高峰」とも呼ばれ、数多くの作家に多大な影響力をもった人物でした。小説家としてだけではなく、文芸評論家としても知られる彼は、やはり味のある言葉の数々を残しています。

今回はそんな川端康成の名言を30個まとめてみました。また、ジャンルごとに分けて見やすくしています。多彩な表現を自由自在に操る康成の思想を覗いてみましょう。

川端康成の名言30

人生

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川端康成は、「生きる」ということについて、肯定的な言葉を多く残しています。文豪と言えば厭世的な見方が多い中で、明るい印象を受けるのは珍しいですね。

しかし、康成本人は自ら命を絶ってしまいました。矛盾にしか思えないのですが、彼はいったい何を考えていたのでしょうか。

・死んだ時に人を悲しませないのが、人間最高の美徳さ。(「故人の園」)

・僕は生きている方に味方するね。きっと人生だって生きている方に味方するよ。(「生きている方に」)

・人間は、みんなに愛されているうちに消えるのが一番良いと思います。(「山の音」)

 

・誰にもかれにも、同じ時間が流れていると思うのはまちがいだ。(出典不明)

・死んだ者の罪を問わないのは、今は生きていてやがて死ぬ者の、深い真理かもしれませんよ。(「虹いくたび」)

・霊魂が不滅であるという考え方は、生ける人間の生命への執着と死者への愛着とのあらわれでありましょう。(出典不明)

・一輪の花美しくあらば、われもまた生きてあらん。(虹いくたび)

哲学

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ここに挙げた言葉の数々は、短いながらも真理をついていると思います。1つ1つの言葉から、彼の確かな教養がうかがえますね。彼がたどり着いた思想を、ここで辿ってみましょう。

・大病をして死を身近に感じると、深くたしなめられた気持ちがして、それまで重大に思えたことが、そうではなかったと悟るようになるものだ。(出典不明)

・たとえばどんなにいいことにしろ、それを知るべき年齢よりも早くそれを知れば、それは悲劇の色しか帯びない。(「化粧と口笛」)

 

・いかに現世を厭離するとも、自殺は悟りの姿ではない。

いかに徳行高くとも自殺者は大聖の域に遠い。(「末期の眼」)

・日本の子供には、もっと孤独を教えないと、思想は生まれませんね。(「高原」)

・犠牲を清らかならしめよ。

自分を犠牲にした者は、自分を犠牲にしたことを忘れるのが、美しい犠牲の完成なのだ。(「犠牲の花嫁」)

幸福

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幸せについての名言も、私たちをうなずかせます。川端康成にとっての理想は、ささいな幸福だったのではないかと思えます。その小さな幸福を文学に込めていたからこそ、彼の作品は美しいのではないでしょうか。

・一生の間に一人の人間でも幸福にすることが出来れば、自分の幸福なのだ。(「掌の幸福」)

・ささいなことが私たちを慰めるのは、ささいなことが私たちを悩ますからだ。(「虹いくたび」)

 

・一人のよき友は、地上のすべての宝玉よりも、どんなに勝っていることか。(出典不明)

・自分の年とってゆくのを忘れさせてくれるのは子供しかないってことは、あらゆる生物の楽しい悲劇ですよ。(「化粧と口笛」)

結婚・恋愛

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川端康成女性に言葉を語らせるのが非常にうまいと思います。また、男女間の感情の機微を短い言葉でうまく言い表していますね。結婚に関しても否定的な見方をする文豪が多いですが、やはり康成は明るい表現が多いですね。

・別れる男に、花の名を一つは教えておきなさい。花は毎年必ず咲きます。(「花」)

・長い結婚は必ずしも出発に支配されない。(「山の音」)

・親の生涯の成功か失敗かは、子供の結婚の成功か失敗かにもよるらしい。(「山の音」)

 

・自分の愛情は疑っても、嫉妬は疑わないわ。(「虹いくたび」)

・画竜点睛といってね、結婚も確かに点睛の一つだよ。

夫を持ったり、子供を持ったりする度に、人間の心の眼は開けてゆくものだよ。(「結婚の眼」)

 

・健全な愛は健全な人にしか宿らないものだよ。(「水月」)

・騙されないで人を愛そう、愛されようなんてずいぶん虫のいいことだ。(「女学生」)

・結婚の相手を選ぶといったって、つきつめて考えれば、結局のところ、おみくじを引くような、銀貨の表か裏かを判じるくらいのものだ。(「雀の晩酌」) 

 

・男が家庭を持ちたいってのは、思い切り阿呆になれる場所がほしいからだ(「化粧と口笛」)

・一輪の花は百輪の花よりもはなやかさを思わせるのです(出典不明)

芸術

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自分の芸術観についてはテレビのインタビューなどで多く語っています。NHKの番組では三島由紀夫も一緒に談笑しており、貴重な映像が残っていますね。自由自在に表現技法を切り替える川端康成は、映像でもどこかのらりくらりとしている印象を受けます。

・あの作品は睡眠薬を飲んで書いたから、私にも訳わからないんですよ。(「古都」についてのインタビューで)

・力を入れようと思った時には済んじゃっているんです。(NHK番組での発言)

・自分は「怠け者」であり、川端文学は「怠け者の文学」である。(インタビュー番組の中で)

 

・国境の長いトンネルを抜けると雪国であった(「雪国」)

・言葉が痛切な実感となるのは痛切な体験の中でだ(「虹いくたび」)

おわりに

今回は川端康成の名言を30個まとめて紹介しました。どれも「その通り!」と言いたくなる言葉ばかりだったと思います。別記事では他の文豪たちの名言も紹介しているので、ぜひ読んでみてくださいね。

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