三島由紀夫の名言30選!異色の文豪がもつ世界観とは?

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「文豪」と呼ばれる人々の中でも異質の存在感を放っているのが三島由紀夫です。

作家として多くの作品を世の中に送り出しているのはもちろんのこと、劇作家としても成功しているんです。

また、ヒョロヒョロの身体に対するコンプレックスを跳ねのけるように、肉体改造をしてムキムキになってしまうなど、やはり文豪の中では異質の存在感を放っていますね。

 

面白いエピソードもたくさんあるのですが、1番注目すべきはその表現力にあります。

私が思うに、日本の文豪の中でも1・2を争う巧みな描写です。

 

今回はそんな三島由紀夫が残した名言をジャンルごとにまとめてみました。

彼の思想を凝縮した言葉の数々を味わってみましょう。

 

三島由紀夫の名言30

哲学

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三島由紀夫は「早熟の天才」という言葉がふさわしい作家だと思います。

また、ある人は「三島の頭の回転は常人の1.8倍は速い」とまで言っています。

そんな彼が残した名言は切れ味の鋭いものばかり。

表現力の高さも相まって、見事な言葉の数々となっています。

 

無神論も、徹底すれば徹底するほど、唯一神信仰の裏返しにすぎぬ。

無気力も、徹底すれば徹底するほど、情熱の裏返しにすぎぬ(川端康成氏再説)

 

・ほしいものが手に入らないといふ最大の理由は、それを手に入れたいと望んだからだ。(暁の詩)

 

・潔癖さといふものは、欲望の命ずる一種のわがままだ。(仮面の告白

 

 

・「強み」とは何か。知恵に流されぬことである。分別に溺れないことである(葉隠入門)

 

・崇高なものが現代では無力で、滑稽なものにだけ野蛮な力がある(禁色)

 

・好奇心には道徳がないのである。もしかするとそれは人間のもちうるもっとも不徳な欲望かもしれない。(仮面の告白

 

 

・愛は断じて理解ではない。(批評家に小説がわかるか)

 

・あらゆる種類の仮面のなかで、「素顔」といふ仮面を僕はいちばん信用いたしません。(林房雄への書簡)

 

・精神を凌駕することのできるのは習慣という怪物だけなのだ。(美徳のよろめき

 

 

・決定されているが故に僕らの可能性は無限であり、止められているが故に僕らの飛翔は永遠である。(わが世代の革命)

 

・自分の顔と折合いをつけながら、だんだんに年をとってゆくのは賢明な方法である。(私の顔)

 

・やたらと人に弱味をさらけ出す人間のことを、私は躊躇なく「無礼者」と呼びます。(不道徳教育講座 告白するなかれ)

 

人間

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人間に対する分析も、流石の一言に尽きます。

自分の姿を通して、普遍的な人間の姿を映し出していますね。

それに三島由紀夫独自の修辞の鎧を着せて、表現された言葉を見ていきましょう。

 

・空虚な目標であれ、目標をめざして努力する過程にしか人間の幸福が存在しない(小説家の息子)

 

・裏切りは、かならずしも善人と悪人のあいだでおこるとはかぎらない(あなたは現在の恋人と結婚しますか)

 

・なぜ大人は酒を飲むのか。大人になると悲しいことに、酒を呑まなくては酔へないからである。

子供なら、何も呑まなくても、忽ち遊びに酔ってしまうことができる。(社会料理三島亭 折詰料理『日本人の娯楽』)

 

 

・天才というものは源泉の感情だ。そこまで堀り当てた人が天才だ。(河上徹太郎との対談「創作批評」)

 

精神分析を待つまでもなく、人間のつく嘘のうちで、「一度も嘘をついたことがない」といふのは、おそらく最大の嘘である。(音楽)

 

・人間はあやまちを犯してはじめて真理を知る。(出典不明)

 

 

・軽蔑とは、女の男に対する永遠の批評である。(反貞女大学)

 

・三千人と恋愛をした人が、一人と恋愛をした人に比べて、より多くについて知っているとはいえないのが、人生の面白味です。(出典不明)

 

・人間に忘却と、それに伴う過去の美化がなかったら、人間はどうして生に耐えることができるだろう。(出典不明)

 

 

 

男女

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恋愛については、男性とはどういうもので、女生徒はどういうものなのかをよく考えている人だと感じます。

他の文豪は女性について言葉を残している人が多いと感じますが、三島は男女を対比的に分析していますね。

やっぱり、男性の方が情けないように描かれていますが…

 

・男の虚栄心は、虚栄心がないように見せかけることである(虚栄について)

 

・男性は、安楽を100パーセント好きになれない動物だ。

また、なってはいけないのが男である。(あなたは現在の恋人と結婚しますか)

 

・男性は本質を愛し、女性は習慣を愛する(青の時代)

 

 

・恋人同士といふものは仕馴れた役者のように、予め手順を考へた舞台装置の上で愛し合うものである(日曜日)

 

・美しい女と二人きりで歩いている男は頼もしげにみえるのだが、女二人にはさまれて歩いている男は道化じみる。(春子)

 

 

・女の人には、自分で直感的に見た鏡が、いちばん気に入る肖像画なんです。それ以上のものはありませんよ。(女神)

 

・愛するということにかけては、女性こそ専門家で、男性は永遠の素人である。(愛するということ)

 

芸術

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早熟であり、独自の美意識が強かった三島にとって、芸術はどのようなものだったのでしょうか。

文壇でも評価され、時代の寵児とも言われた彼ですが、根底の部分では理解されないと感じていたのかもしれません。

 

・芸術家というのは自然の変種です(反貞女大学)

 

・自分を理解しない人間を寄せつけないのは、芸術家として正しい態度である。芸術家は政治家じゃないのだから。(出典不明)

 

 

さらに三島由紀夫を知りたい人へ

いかがだったでしょうか。

三島由紀夫の名言は切れ味が鋭いものが多いですよね。

「もっと三島由紀夫の名言を知りたい!」「手元に置いておきたい!」という方におすすめしたいのが、「三島由紀夫 100の言葉」という本です。

写真も多く載っており、三島由紀夫がどんな人だったのかをより鮮明に知ることができます。

 

また、「平凡パンチ三島由紀夫」という本もおすすめです。

こちらは三島由紀夫に3年間密着していた記者の方が、さまざまな資料を参照しながら彼の思想や生きざまを分析しています。

 

もっと彼のことを理解したいという方はぜひ手に取ってみてくださいね。

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