芥川龍之介の名言30選!かっこいいものを集めてみた!

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20世紀前半に活躍した芥川龍之介は、数多くの傑作を残しています。

蜘蛛の糸」や「鼻」など、古典に題材をとった短編小説を得意としていました。

彼の作品の特徴として、「人間の本質」や「生の苦悩」を生々しく、深く掘り下げています。

 

成功と名声を得た芥川龍之介でしたが、「僕の将来に対するぼんやりとした不安」という言葉を残して、35歳という若さでこの世を去ってしまいました。

しかし、彼が短い一生に紡ぎだした言葉の数々は、今でも宝石のような輝きと深遠な考察に満ち溢れています。

 

今回は、そんな芥川龍之介の名言をジャンルごとにまとめてお届けします。

出典も紹介しているので、ぜひ参考にしてくださいね。

※一部表現を現代仮名遣いや分かりやすいものに変更してあります。

 

芥川龍之介の名言30

人生・哲学

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芥川龍之介の人生観は非常に深く、読んでいてハッとさせられる言葉が多く残されています。

「賢い」ということは「眼がいい」ことに似ていると思います。

眼が良ければよいほど、多くのものを鮮明に見ることができますが、同時に汚い部分にも気づいてしまうのです。

 

芥川はその賢さでもって、見たくないものまで分かってしまったから、自ら命を絶ってしまったのではないかと私は思います。

どんなことを考えていたのか、彼の哲学や人生観を覗いてみましょう。

 

・人生は一箱のマッチに似ている。重大に扱うのは馬鹿馬鹿しい。重大に扱わなければ危険である。(侏儒の言葉

 

・人間は時として、満たされるか満たされないかわからない欲望のために一生を捧げてしまう。

その愚を笑う人は、つまるところ、人生に対する路傍(ろぼう)の人に過ぎない。(芋粥

 

・あらゆる社交はおのずから虚偽を必要とするものである。最も賢い処世術は、社会的因習を軽蔑しながら、しかも社会的因習と矛盾せぬ生活をすることである。

 

最も賢い生活は、一時代の習慣を軽蔑しながら、しかもそのまた習慣を少しも破らないように暮らすことである。(侏儒の言葉

 

 

・危険思想とは常識を実行に移そうとする思想である。(侏儒の言葉

 

・阿呆はいつも彼以外のものを阿呆であると信じている。(河童)

 

 

・人生は地獄よりも地獄的である。(侏儒の言葉

 

・人間の心には互に矛盾した二つの感情がある。勿論、誰でも他人の不幸に同情しない者はない。

ところがその人がその不幸を、どうにかして切り抜ける事が出来ると、今度はこっちで何となく物足りないような心もちがする。(鼻)

 

 

・自由は山巓(さんてん)の空気に似ている。どちらも弱い者にはたえることはできない。(侏儒の言葉

 

 

芸術・自然

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芸術に対する強いこだわりを芥川も持っていました。

小説家というのは、言葉を磨き続ける仕事だと思います。

物語を想像し、文字にして人に訴えるには、大いなる情熱と誇りがなければできないことではないでしょうか。

 

・芸術のための芸術は、一歩を転ずれば芸術遊戯説に墜ちる。

人生のための芸術は、一歩を転ずれば芸術功利説に堕ちる。(芸術その他)

 

・シェクスピイアも、ゲエテも、李太白も、近松門左衛門も滅びるであろう。

しかし芸術は民衆の中に必ず種子を残している。(侏儒の言葉

 

 

・自然を愛するのは、自然がわれわれを憎んだり、嫉妬しないためでもない事はない。(河童)

 

・文を作るのに欠くべからざるものは、何よりも創作的情熱である。(侏儒の言葉

 

・創作は常に冒険である。所詮は人力を尽した後、 天命にまかせるより仕方はない。(侏儒の言葉

 

 

・文章の中にある言葉は辞書の中にある時よりも美しさを加えていなければならぬ。(侏儒の言葉

 

恋愛・結婚

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恋愛や結婚について、偉人や哲学者が残している言葉は総じて後ろ向きな発言が多いと感じます。

理性によって分析すれば、まさに「結婚は人生の墓場」なのかもしれません。

芥川もその例に漏れず、恋愛に対して消極的な言葉をいくつも残しています。

 

しかし、彼も結婚し子供に恵まれていることを考えると、ちょっと面白いですね。

 

・恋愛の徴候の一つは彼女に似た顔を発見することに極度に鋭敏になることである。(侏儒の言葉

 

・女人は我々男子には正に人生そのものである。即ち諸悪の根源である。(侏儒の言葉

 

・われわれを恋愛から救うものは、理性よりもむしろ多忙である。(侏儒の言葉

 

・恋愛はただ性欲の詩的表現を受けたものである。

少なくても詩的表現を受けない性欲は恋愛と呼ぶに値しない。(侏儒の言葉

 

・ 健全なる理性は命令している。――「汝、女人を近づくるなかれ。」

 しかし健全なる本能は全然反対に命令している。――「汝、女人を避くるなかれ。」(侏儒の言葉

 

 

幸福

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芥川の幸福観を一言で説明するのは難しいですが、日常のささいな生活に幸福を見出そうとしていたように感じます。

「人生観・哲学」で紹介したように、芥川はこの世に絶望していた節が見られます。

しかし、同時に何か幸せの道があるのではないかと探していたのではないでしょうか。

 

・幸福とは幸福を問題にしない時をいう。(出典不明)

 

・人生を幸福にするためには、日常の些事を愛さなければならぬ。(侏儒の言葉

 

・完全なるユウトピアの生れない所以(ゆえん)は大体下の通りである。

――人間性そのものを変えないとすれば、完全なるユウトピアの生まれる筈はずはない。

人間性そのものを変えるとすれば、完全なるユウトピアと思ったものもたちまち不完全に感ぜられてしまう。(侏儒の言葉

 

 

・お前が都へ帰ったら、姫にも嘆きをするよりは、笑う事を学べと云ってくれい。(俊寛)

 

・物質的欲望を減ずることは必ずしも平和をもたらさない。我々は平和を得るためには精神的欲望も減じなければならぬ。(河童)

 

偉人

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芥川自身も歴史に名前を残す偉人となりましたが、本人はそれを喜ばないかもしれません。

それを示すかのように、天才や偉人に対しては否定的な言葉を残しています。

 

 

・天才の悲劇は「小ぢんまりした、居心地のよい名声」を与えられることである(侏儒の言葉

 

・天才の一面は明らかに醜聞を起し得る才能である。(侏儒の言葉

 

・古来政治的天才とは民衆の意志を彼自身の意志とするもののように思われていた。が、これは正反対であろう。

むしろ政治的天才とは彼自身の意志を民衆の意志とするもののことを云うのである。

少なくとも民衆の意志であるかのように信ぜしめるものを云うのである。(侏儒の言葉

 

・彼の一生は失敗の一生也。

彼の歴史は蹉跌(さてつ)の歴史也。

彼の一代は薄幸の一代也。

然れども彼の生涯は男らしき生涯也(木曽義仲論)

 

・クリストの一生の最大の矛盾は彼の我々人間を理解していたにも関らず、彼自身を理解出来なかつたことである。(続西方の人

 

芥川の名言をもっと知りたい方におすすめ

以上、芥川龍之介の名言の中でもきらりと光るものをピックアップしてきました。

出典でも数多く登場した「侏儒の言葉」ですが、これはある言葉をテーマに、芥川自身の考えをつづったものになっています。

 

例えば、最初にご紹介した「人生は一箱のマッチに似ている」という言葉は、「人生」というテーマに沿って書かれたものです。

今回紹介したもの以外にも、数多くの名言が収録されており、芥川の思想を垣間見ることができるのでおすすめの1冊です。

 

また、「侏儒の言葉」は青空文庫にて無料で読むこともできます。

興味のある方は、1度目を通してみてくださいね。

芥川龍之介 侏儒の言葉

 

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