夏目漱石の名言30選!深い洞察を覗いてみよう

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「坊ちゃん」や「吾輩は猫である」でお馴染みの夏目漱石。抜群に頭が切れ、特に英語に関しての才能は群を抜いていたといいます。

東京大学の講師というエリート街道まっしぐらだった漱石でしたが、職を辞し新聞社と契約して専業作家となったという変わった一面もありますね。

神経衰弱に苦しんでいたと言われ、厭世的な顔を覗かせる漱石ですが、鋭い洞察に満ちた言葉をたくさん残しています。今回は、夏目漱石の珠玉の名言を30個ジャンルごとにまとめてみました。天才作家の思想を一緒に覗いてみましょう。

夏目漱石の名言30

人生・哲学

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漱石は多くの造語を作ったということで有名ですね。例えば「新陳代謝」や「浪漫」という言葉は彼が作ったと言われています。

そんな漱石ですから、残している言葉もふるっているものばかりです。短い言葉で、頭に残るものが多いのも特徴と言えるでしょう。

・自らを尊しと思わぬものは奴隷なり(断片)

・真面目とは実行するということだ。(出典不明)

・色を見るものは形を見ず、形を見るものは質を見ず。(虞美人草

 

・凡ての創口を癒合するものは時日である。(門)

・自分のしている事が、自分の目的(エンド)になっていない程苦しい事はない。(行人)

・ある人は十銭をもって 一円の十分の一と解釈する。ある人は十銭をもって 一銭の十倍と解釈する。同じ言葉が人によって高くも低くもなる。(虞美人草

 

・鏡は自惚れの醸造器である如く、同時に自慢の消毒器である。(吾輩は猫である

・前後を切断せよ、満身の力をこめて現在に働け。(倫敦消息

・自分の弱点をさらけ出さずに人から利益を受けられない。自分の弱点をさらけ出さずに人に利益を与えられない。(断片)

 

・あせってはいけません。ただ、牛のように、図々しく進んで行くのが大事です。(芥川龍之介らへの書簡)

・うそは河豚汁である。 その場限りでたたりがなければ これほどうまいものはない。 しかしあたったが最後 苦しい血も吐かねばならぬ。(虞美人草

・真面目に考えよ。誠実に語れ。摯実(しじつ)に行え。汝の現今に播く種はやがて汝の収むべき未来となって現わるべし(日記)

恋愛

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同じ文豪でも太宰などは女性に奔放だという印象がありますが、漱石恋愛に関しては非常に真摯だったといいます。生涯、結婚してからふらふらと浮気をすることはなかったようです。そんな漱石が残した女性にまつわる言葉は、やはりちょっぴり堅めに感じますね。

・女には大きな人道の立場から来る愛情よりも、 多少義理をはずれても 自分だけに集注される親切を嬉しがる性質が、 男よりも強いように思われます。(こころ)

・愛嬌というのはね、自分より強いものを倒す柔らかい武器だよ(虞美人草

・嫌な女も好きな女もあり、 その好きな女にも嫌なところがあって、 その興味を持っている全ての女の中で、 一番あなたが好きだと云われてこそ、 あなたは本当に 愛されているんじゃありませんか?(出典不明)

 

・嬉しい恋が積もれば、恋をせぬ昔がかえって恋しかろ。(草枕

・恋心というやつ、いくら罵りわめいたところで、おいそれと胸の砦を出ていくものでありますまい(出典不明)

 

・愛は堅きものを忌む。すべての硬性を溶化せずにはやまぬ。(野分)

・細君の愛を他へ移さないようにするのが、却って夫の義務だろう。(それから)

芸術

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英文学だけではなく、漢文や漢詩にも精通していた夏目漱石。芸術に関する言葉は少ないですが、芸術を高く評価していたことがうかがえます。

・あらゆる芸術の士は、人の世をのどかにし、人の心を豊かにするがゆえに尊い。(草枕

・四角の世界から常識と名のつく一角を摩滅して、三角のうちに住むのを芸術家と呼んでも良かろう(草枕

・芸術は自己の表現に始まって自己の表現に終わるものである。(出典不明)

人間

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人間というものについても、彼は鋭い洞察を加えています。漱石はノイローゼになってしまったことからも、人より敏感な部分があったのだと思います。「草枕」でも語られていますが、彼にとってはなかなか生きにくいのが人間社会だったのかもしれません。

・運命は神の考えることだ。 人間は人間らしく働けばそれで結構だ。(虞美人草

・ナポレオンでもアレキサンダーでも、勝って満足したものは一人もいない。(吾輩は猫である

 

・人間は好き嫌いで働くものだ。論法で働くものじゃない。(坊ちゃん)

・吾人は自由を欲して自由を得た。自由を得た結果、不自由を感じて困っている。(吾輩は猫である

 

・表面を作る者を世人は偽善者という。偽善者でも何でもよい。

表面を作るという事は内部を改良する一種の方法である。(文学評論)

・人間は角があると世の中を転がって行くのが骨が折れて損だよ(吾輩は猫である

 

・のんきと見える人々も、心の底をたたいてみると、どこか悲しい音がする。(吾輩は猫である

・たまに正直な純粋な人を見ると、坊ちゃんだの小僧だのと難癖をつけて軽蔑する。(坊ちゃん)

おわりに

どうだったでしょうか?1つ1つの言葉が深く、示唆に富んだ内容になっていますよね。「もっと漱石の名言を知りたい!」という方には、「夏目漱石 100の言葉」という本がおすすめです。

この本は作品からの引用だけではなく、漱石が弟子たちにあてた手紙からの引用も含まれており、貴重な名言の数々が含まれています。また、「夏目漱石 乗り越える言葉100」という本も出版されています。

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